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■環境リスク学―不安の海の羅針盤
中西 準子 (著)

環境リスク学という学問があることを知らなかったのだが、環境問題をリスクの面から捉えてみるという学問らしい。Aという物質を使うことによるリスク、使わないことによるリスクを比べてどちらが重要視されるべきか。まあ、簡単に言えばこのような研究をするということだろうか。

筆者の中西氏はかなりユニークな頭脳をお持ちの方らしく、味方が一人もいないところでも持論を誇示する強さを持ち合わせておられる。学者には必要な素質だと思うが、迎合型の学者も多いように思っていたので新鮮であった。

まず、環境に関するリスクを考える上で、事実(ファクト)に着目されていることが分かった。環境問題に関するデータ処理を「良いこと」「悪いこと」に分けることが解決に結びつく道ではないことを念頭において研究されている。産業排水処理場の問題点を指摘する際にも徹底的にファクトにこだわられたそうだ。

私たちが「環境問題」と考える時に共通に感じる思いがある。「面倒そう」「複雑そう」というこれだ。要は、答えがあるわけではなく、良いことを実施すればすべて解決する問題でもない。今はCO2排出量を削減することが環境保護に良いこととされているが、本当にそれが良い方向なのかは分からない。ただ、もしCO2量が多大な影響を与えるとして、それを「分からない」から放置したならば、後悔しないかと。後悔する可能性があるのならやれることをやってみようかと。私はそう考えている。そこで、指針とするべきファクトの見極めには慎重になろうと心がけてはいる。出来ているとは胸を張って言える段階ではないが、私は学者ではないので、方向さえぶらさなければ良いかと。

結局のところ、重要なのは事実から目をそらさずに判断することだ。何故なら、簡単に答えが見つかる事柄ではないのだから。そして基準を定めたり、比較対象を見つけたりすることは理解に繋がる。または、無理解に繋がる。要は、何が分かっていて何が分からないかを判別することが出来るようになる。

リスク論は面白い。この方法だけが環境問題に対処する方法だとは思わないが、方法論の一つとして興味深い。まず第一にリアルであること。環境問題は感情的に論じてはいけないのではないか。中西氏が一生をかけて取り組んでおられるリスク学という学問は、冷静にファクトを検証する。第二に比較だ。相反するリスクを比較して検証する。ここで用いられるのは数字である。数字は「作られた数字」と「実状をあらわした数字」に分かれる。いかに数字を作ることなく、ファクトのみを検証できるか。ちょっと自分では荷がかちすぎているテーマだ。

私は様々な立ち場の方が書いた環境をテーマにした本を読んでみたいと思っている。私の考えはあるが固まっているわけでもない。人の考えを咀嚼することによって、更に環境に関する感覚を鋭く出来れば良いなと考えている。

この本によって、リスクに対する視点を持つことの重要性を理解した。後は自分なりにファクトと周りの環境ムーブメント(もちろん自分の「ふとエコロ人」も客観的に)を見てみようと思う。